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活動の歴史

2007年大会(UCK-06A)詳細

我々UCK-06A派遣団は、7月28日に先発隊10名、8月1日に後発隊9名が
伊丹空港から成田空港を経由してフランス入りしました。

先発隊はパリ到着翌日の29日よりキャンプ地であるラクーティンのフランス軍幼年兵学校に入りました。
昨年も参加したメンバーには慣れた場所でしたが、今年初めて来たメンバー達は
色んな事に驚いたり感心したりしていました。


たくさんのテストをクリアし万全な状態で打ち上げを迎えるため、作業場では連日連夜、必死の作業が行なわれました。
疲れや時差ボケなどと闘いながら、ほぼ毎日のように日付を超えてもまだ作業をしていましたが
力を合わせ、関西のチームらしく明るく和気藹々と色々な障害を乗り越えました。
フランスチームの中には我々のピンチを救って下さった方々もいて、本当にお世話になりました。

ロケット

左:テストの様子 中央:ロケット 右:キャンプ内で発行された新聞の記事


UCK-06Aは本体にビデオカメラ、デジタルカメラ、録音機、無線受信機、
そしてこのロケットの目玉である衛星を3機搭載していました。

ロケットには飛行中のデータ取得のためにデジタルカメラ、ビデオカメラ、録音機、速度センサー、
一軸加速度センサーが、また発見を容易にするために無線受信機と
それに連動して鳴るブザーを搭載しています。
カメラ類やセンサー類、衛星とパラシュートの放出の制御はすべて、
PICと呼ばれる小さなマイコンで制御されています。

主電源スイッチを入れた後、トリガースイッチを引き抜く(ロケットがランチャーから射出される)と
すべてのカメラ類・センサー類が記録を開始します。
射出されてから10秒ほど経過すると3機の衛星が順番にロケットから射出され、
最後にロケット自身のパラシュートが放出され、地上に降りて来ます。

 

左からTOIN-SAT、レユニオンSAT、UCK-SAT


衛星は前年は桐蔭SATとKSE-SATの2機でしたが、今回は1機増えて合計3機の衛星を搭載しています。

ノーズコーンからUCK-SAT、次にレユニオンSAT、最後に桐蔭SATという順番でロケットに搭載され、
上空では下から順番に(桐蔭SAT、レユニオンSAT、UCK-SATの順で)空中へ放出されます。

一番上に搭載していた、当クラブの衛星・UCK-SATには、紫外線センサー、気圧センサー、
温度センサー、無線受信機、音声再生キットが搭載されており、各センサーの
データをPICで取得しながらパラシュートで地上に向かって降りて来ます。
地上に降りた後は、捜索隊が持っている無線の送信機の電波を受けると、
スピーカーから音楽が流れ、捜索隊に降りた場所を知らせる仕組みです。

ちなみに流れる曲は、ミッシェル・ポルナレフの「シェリーにくちづけ」です。
かなり古い曲ですが今現在もCM曲に起用されるなど人気の高い歌だという事と、
フランス人・日本人、老若男女を問わず多くの人が知っているフランスの曲という事でこの曲を選びました。
打ち上げ前に現地で動作確認のため鳴らしてみた所、近くにいたフランス人の皆さんが大合唱して下さいました。

真ん中に搭載されたレユニオンSATには温度計が搭載されていました。
ロケットから放出された後、上空の温度のデータを取りながら地上に降りて来ます。
地上に降りた後は、数秒間隔でブザーを鳴らして捜索隊に場所を知らせます。


桐蔭SATは大阪桐蔭中学・高等学校のロケット研究部の皆さんが作った衛星です。
中にはロケットと同じくPICで制御されたデジタルカメラが入っています。


創意工夫を凝らした衛星で、それぞれに特色のある素晴らしい出来となっています。

 

ロケットにサインしてくれてます。サイン中

ロケットにサインしているフランスの方々

作業の合間にはフランスのチームとたくさんの交流をさせて頂きました。
見学に来て下さった方にサインペンを渡し、ロケットにサインをして貰った事もあり、
今大会で打ち上げられたロケットの中で、一番にぎやかなロケットになりました。

 

     フランスのチーム・フロバレックスの皆さんが開いて下さった日本チームとの交流パーティの様子

フランスのチームと交流を持てる事もフランス遠征の魅力のひとつです。
昨年も子供達に折り紙を教えたりなどして交流をしましたが、
今年は昨年以上に密度の濃い交流が出来たと思います。

交流パーティでは、日本の文化を知って貰おうという事で習字をして貰ったり、
折り紙や割り箸を使って作るピストルなどを向こうの皆さんに楽しんで頂きました。

フランスチームの方々からは、カードを使ったゲームやダンスなどを教わり、
みんなで楽しく遊びながら交流させて頂きました。

 

左:テストをすべてクリアした事を示すホワイトボード
右:ロケットをランチャーに運んでいる様子

 

UCK-06Aロケットの打ち上げは、8月3日の午後2時ごろに行なわれました。

今までの作業の苦労や全てのテストをクリアした時の喜び、フランスの方々からの暖かい支援等への感謝、
もう後戻り出来ないという緊張など、様々な思いを胸にみな真剣な顔つきで
打ち上げ前最後のセッティングをした後、私達のロケットはランチャーに乗せられました。


フランス語でのカウントダウンのあと、吸い込まれるかのように空へと飛び出したロケットからは、
3つの衛星が無事に放出され、最後にロケットからもパラシュートが放出されましたが、
パラシュートが開いた際の衝撃のせいか、惜しくもロケットとパラシュートが分離されてしまい、
またしてもノミナル判定(成功)は頂く事が出来ませんでした。

 



左:ロケットのパラシュートが発見された時の様子
右:レユニオン島の衛星が発見された時の様子


打ち上げ終了後、キャンプ終了までの残り3日間を使い、生い茂る草木を掻き分け、
ある時は登山さながらに斜面を登り、またある時は柔らかな土に足を取られながら、
熱中症に気をつけつつ炎天下の中で必死に捜索しましたが
発見出来たのはロケットのパラシュートと桐蔭SAT、そしてレユニオンSATのみで、
ロケット本体とUCK-SATは残念ながらフランス・ラクーティンで永住となってしまいました。


   桐蔭中学・高等学校さんの衛星に積んでいたデジタルカメラの画像


しかし2つの衛星とロケットのパラシュートが回収出来たのは大きな成果で、
レユニオンSATの方は目下解析中との事ですが、桐蔭SATに搭載していたデジタルカメラには
打ち上げ場の綺麗な映像が何枚も残されており、その中には他の衛星やロケットのパラシュートと
思しきものも写っていたりと、分析し甲斐のある素晴らしい収穫となりました。

 

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